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「4月初旬、ガス機器とメーターを確認する年次訪問としてスタッフが各世帯に訪問するという地元ガス会社の発表に対して、新北市北東部にある2,000世帯の居住者がオフラインとオンラインの両方で抗議を起こしています。新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行している現状を考えると、訪問は恐らく最悪のタイミングだったでしょう。私は居住者の1人なので事態を理解しています。」
フィリップ・ツォウ(Phillippe Tzou、UnaBizコミュニケーション・パートナーシップマネージャー)
この話は台湾に限ったことではなく、世界的なパンデミックで都市が封鎖されている中で、世界の公益事業会社の多くが直面する新たな課題です。
今年の1月から、UnaBizはSORACOMとニチガスと提携して、関東地方の天然ガス利用者85万人の家庭に設置するスマートガス検針器の設計および製造を行っています。ニチガスは最近日本で規制緩和されたガス・電気市場で大きな役割を果たしている企業です。
ニチガスは、スマートガスメーターを導入することで、人件費が削減できる(個々のガスメーターを検針する必要がなくなるため)だけでなく、エネルギー供給網をIoT対応のビックデータ駆動型として改善することもできます。このソリューションが、日本政府による緊急事態宣言の中でソーシャルディスタンスを保ち地域社会を守り、情報を活用する事業となることは、4か月前までは誰も思いも付きませんでした。
これまで、世帯のエネルギー消費データは専任のスタッフが毎月手動で収集してきました。手動での収集はコストがかかるだけでなく、誤検針が発生しやすく、スタッフに完全に依存する方法で、コロナ禍では削減せざるを得ない業務でもあります。
スマート検針の課題は、お客様の日常生活を混乱させることなく、既存の家庭用メーターを接続していくことでした。このプロセスは大きな資本とたくさんの人手を要するものです。UnaBizのニチガス向けネットワーク制御装置(NCU)は、古いシステムを整備しなくても、使用管理をデジタル化できる「レトロフィットIoT」ソリューションです。つまり、稼働を中断させなくても、既存のメーターをスマートメーターにアップグレードできるのです。日本国内に2,300万台の液化石油ガス(LPG)のガスメーターが存在することを考えると、これは非常に重要なポイントです。
- 設置が簡単で、低コスト、かつバッテリー消費の少ないIoTスマート検針器Sigfoxは、日本では京セラコミュニケーションシステムの運用を行っています。この仕組みで、各世帯のガスメーターでの毎日の消費状況がわかるため、ニチガスは手動検針を廃止し、人との接触を減らすことができます。
- ニチガスはより正確なデータを入手できるようになるので、交換用ガスボンベの配達ルートを最適化し、公益事業において最も人間に依存していた一連の物流業務の負担を緩和できるのです。
- NCUは、ガス弁をリモートでオン・オフするようにもプログラムされており、現在世界で封鎖されている都市の数を見てもわかるように、重要なセキュリティ機能になります。地震などの非常事態が発生した場合でも、ニチガスとそのお客様は安心して利用することができます。
- 現在の状況により、計画が頓挫したスマート検針もありますが、スペース蛍の導入は着実に進んでおり、日本最大かつ最も成功しているLPG販売会社であるニチガスが、人の移動や接触を制限し、ウイルスの感染拡大を封じ込めるという政府による対策に対処する上で役に立っています。
日本には5,000万台の住宅用ガスメーターがあり、公益事業のインフラストラクチャでは水道や電力の消費量を管理できます。世界的な景気の低迷を背景に、労働力、そして政府予算が減り続けていく高齢化社会にスマートメーターがもたらすコスト削減とメリットは計り知れないものがあります。