大規模なIoTを実現する舞台裏

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UnaBizは、Sigfoxの年次会議「Sigfox Connect 2020」でSORACOMに加わり、最近実施したMassive IoT(大量IoT)プロジェクトの中から、日本の関東地方の住宅に90万台のスマート検針器「スペース蛍(ホタル)」を導入したプロジェクトについてディスカッションを行いました

最高のものをもたらす


「単に技術だけ求めたのではなく、むしろ共通の方向性を持ったパートナーシップとコラボレーションです。個々の企業が持つ専門知識を結集させながら、目的と価値観の共有で関係性が構築され、大規模な開発と導入が実現できたのです。お客様のニーズに対応しながら継続的に関わることで、良いパートナーシップをより強固にすることができます。」と、UnaBizでCTOを担当しているフィリップ・チウ(Philippe Chiu)は述べています。

「このビジョンは日本瓦斯(ニチガス)が教えてくれました。すべての企業が団結し、目的と共通の価値観が明確になったのです。メンバーそれぞれが一番詳しい知識を持ち込み、得意分野を発揮する。これが大規模プロジェクトを成功させる唯一の方法なのです。」と、SORACOMの技術ディレクター兼エバンジェリストのアレクシス・サセット(Alexis Susset)氏は述べています。

大変革をもたらす製品設計 

  • 設計段階では、単に新しいハードウェアを導入するのではなく、日本で使われている典型的なガス管のサイズにピッタリと収まる機器の背面に合わせて設計する必要がありました。多くの点が考慮され、盛り込まれ、これは大変革をもたらすものでした。
  • 「スペース蛍(ホタル)」はニチガス独自のブランド属性がある、カスタマイズされたIoT機器で、独特な形状でした。
  • ガス管にしっかりと固定された結束バンドは、「スペース蛍(ホタル)」の背面にも完全にフィットしているので、台風や強風が発生した場合でも、NCU(ネットワーク制御機器)はしっかりと固定されます。
  • また、この機器の物理的な設置に必要な平均時間は約2分です。

UnaBizはハードウェアを、SORACOMはソフトウェアを担当しました

速度と規模:ソフトウェア統合

  • SORACOMは「スペース蛍(ホタル)」ソフトウェアの保守を行う一方で、Sigfox 0Gネットワークを活用しプロセスの自動化を図るべく、データとリアルタイムAPI合理化のためのプラットフォームを提供しました。
  • アプリケーションによって機器との通信を可能にして、一定の接続が保たれるように設計されています。
  • 機器を開くと表示されるQRコードで機器を識別。接続の状態になると、ニチガス側のクラウドにその情報が通知されます。同時にインストーラーによって機器に電源が入り、的確で高精度の通信が確保されながらデータ送信が開始されます。

柔軟性のあるサプライチェーンの重要性

  • 物流やサプライチェーンで行われているプロセスの各段階を考慮しながら複数のテストを実施。バッテリー寿命とプロセスの保証についての製品テストを含め、サプライチェーンの各段階に積極的に関わりました。物流と製品を日本に届けるための安定したサプライチェーンを構築するまでに、3か月かかりました。

結論


適切なパートナーを見つけること、持つスキルセットと可能なことの認識をすることが極めて重要です。UnaBiz、SORACOM、そしてニチガスで構築した信頼関係が大規模なIoTを実現させましたが、このような関係性がより大規模なプロジェクトを実施する上でベストな方法であると信じています。

日本にある他のガス事業者に「スペース蛍(ホタル)」のソリューションを広めていくための話し合いが現在進行中です。LTE-Mをベースとした検針器を2021年に導入することで、Sigfoxバージョンの「スペース蛍(ホタル)」を補完する予定です。